安易なジョーク

最近、妙なジョークを目にすることが多い。
つまり、「はいはい何でも言うことを聞きます」という日本を揶揄するジョークである。
この手のジョークは歴史が古く、例えば、ヴェルサイユ体制下でナチスが台頭してきた時とか、昭和初期の軍縮及び協調外交路線に対して軍部が反発してきた時に、同様なものが見られる。
「協調」より「孤立」を語る方が威勢が良いと読者は感じるし、また、「軟弱」を笑うこともできるのである。しかし、それらが、どのような状況につながっていくか、また、利用されるかは、歴史が如実に示している。
建前ばかりの政府を非難し、孤立を求め、軟弱を笑うのは、容易いだろう。だが、その時、それらがどのような文脈で語られているか、そのようなジョークがいかに安直なものであるか、全ての事象を一緒くたにしていないか、そして、誰かに利用されていないかということへの検証が、個々によって、されるべきだと思う。