コミティア83見本誌読書会

創作系同人誌即売会コミティア83の見本誌読書会に行ってきた。
コミティアには、いつも売り手として参加しているため、なかなかゆっくり同人誌を見て回るというわけにはいかない。で、事前に好みの同人誌に目星をつけて、短時間で集中して回るということをずっと続けてきたのだが、ここのところ、読書会にはあんまり行っていなかった。大体、コミティアとその読書会は連続した日曜日に開かれるため、その両日の休日をつぶすというのが、めんどくさかった。ここのところ、週休一日だったので。
1月末でお受験が終わり、2月は一気に暇になった。このまま暇だと怖いが、まあ、何とかなるだろう。
で、久々の読書会である。

今回の収穫
「箱庭藩始末記ー狙撃」(煕表紙)
  時代考証のしっかりした歴史漫画。
  小説とは別な表現形式として歴史に迫るその作風は、一ノ関圭杉浦日向子など
  の漫画に通じるかも。
「テレビのくに」(ミルキイズ)
  人間がいなくなったあとに残った世界の物語(飛ばし読みだったので誤解あるか
  も)。異世界ものとしてきちんとできている作品でした。絵も魅力的。
「お化けの通る家」(時計堂)
  死や成長を描いた物語として非常に完成度の高い作品。
  絵も同人誌レベルとは一線・・・というか、プロの人かな。
「TRICKSTAR3」(フェムドリル)
  映画の絵コンテのようにカットを積み重ねた漫画。レイアウトが完璧で、そのま
  ま撮れば、見事な映画に。で、逆に凡百の映画をレイアウトに直したら漫画には
  ならないわけで、完成度の高いレイアウトは完成度の高い漫画になるという好例
  である。
「かあぼん」(まるちぷるCAFE)
  いやぁ、ティアズマガジンでもレポートされていたけど、今回は擬人化本が多か
  った。個人的には好きなジャンル。で、いろいろ読んでみたけど、壊滅状態。ど
  のジャンルもそうだけど、ハシリの時は、実力ある作家が多いしやる気もあるけ
  ど、後追いはダメですね。そういう中で、大御所が投じたのが、本作。擬人化さ   
  れるのは、なんと炭素原子などの元素。炭素原子の循環を元にして、地球創世か
  ら現代までを描くという。これが、すごい。やるならここまでやらなければ、い
  けませんね。あっ、むしろ、「もやしもん」なのか。
「キナコの一週間」(シカクイハコ)
  死んだ魚の目幼稚園に通うキナコの一週間のお話。エドワード・ゴーリーの絵本
  のような感じです。
「MAID HACKS」(SPQR
  メイド本はたくさんありますが、これは珍しいですね。メイドの生のコメントを
  翻訳したものです。リアリティのあるメイドものを描く参考になりそう。
「K」(宵月画房)
  イラスト集。非常に緻密に描き込まれた背景と、そこに立つ少女。背景を描くの
  が好きと書かれているのがわかります。イメージが広がるイラスト集です。
「人間神話」(よたかの記)
  ベンジャミンさんのサイコホラー・ショートショート集。
  絵の力というものの恐ろしさを久々に感じました。
  切れ味鋭い文章と鬼気迫る絵。絵画っぽい絵の同人誌はたまにあるけれど、「ぽ
  い」じゃなく、絵として完成していて、かつ、それが漫画にもなっている作品は
  私、これまで出会った経験、皆無でした。初です。

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まだ、たくさんあるが、印象的で、次のコミティアの時にほしいと思った本を思いつくまま挙げてみた。いつも買っている本は、また別。
久々の読書会は面白かった。新しい波があって。

また、時々、行こうかと思っています。