サンデースクランブル「GWアキバ厳戒ホコ天/取り締まり」

5月4日にテレビ朝日系列で放送されたサンデースクランブル「GWアキバ厳戒ホコ天/取り締まりvsコスプレ軍団」は、アキバBlog(秋葉ブログ)などで連日紹介されているものと同様、秋葉原ホコ天における過激な路上パフォーマンスとそれに対する警察の取り締まりなどを取り上げたものであった。

番組の大部分は、これまで他局で取り上げたような内容とほとんど変わらず。しかし、揺れ戻しであろうか、今回の特集では少し複眼的な視点もあった。
例えば、番組内で、「特にパフォーマンスなどをしていたわけではなく、単に写真を撮らせていたんですが、警察官に指導を受けています。やめろということなんでしょうか。あっ、その模様を若者達があっという間に囲んで撮影していますね」という風に警察の行き過ぎた取り締まりに対して、それに反発するコスプレイヤーや周りの様子も含めて取材していた。

今回の白眉は、それら一連の取材を受けての番組コメンテーター、テリー伊藤のコメントであった。
テリー伊藤「ボクは、世界のホコ天でね。こうやってね、こういうこと、コスプレやるのって、世界でも秋葉原だけですよ。ボクはものすごい文化だと思ってるんだよね。それをこういう形で規制するっていうのは、何かなぁって思いますよね。例えば、ミュージシャンのゆず。彼らたちだって、こういうストリートから出てきましたよ。一世風靡だって。それを、止めていくって言うのは、ボクは違うと思うねぇ。音楽ができない子だって、ああいうファッションすることによって、自分を出していけるわけじゃないですか。のしていこうと思っているんでしょ。矢沢さんなんかと一緒ですよ。何が悪いのかなぁって思いますけどねぇ」というコメント。

テリー伊藤のこのコメントは、今回の一連の報道に関して語られたものの中でも最良のものだと思う。正直、見直した。今後、今回のアキバ騒動に関していろいろ語られていくであろう中で、その流れを変える分岐点となるようなコメントだったと思う。
そして、それを受けて、もう1人のコメンテーターの黒鉄ヒロシが、「そこまではヨイショしないけど、官憲の力が強くなりすぎることには怖い気配を感じますけどね」と付け加える。

さて、ここで困ってしまったのが、司会の佐々木正洋・・・おそらく番組としては、もっとアキバのコスプレイヤーなどを叩くということを想定していたのであろう。まさかコメンテーターが、コスプレイヤーやアキバのオタク達への苦言でなくそれを取り締まる側への苦言をするとは思わなかったし、そもそも、彼、佐々木正洋自身が、叩く側の視点しか持ってなかったのであろう。とんでもない結び方をする。

佐々木「表現の自由なのか単なるパフォーマンスなのか意見がいろいろ分かれるところではあると思うんですが、一般人の人たちにしてみれば、度が過ぎないようにとか、節度と言う言葉を持ち出してくるんではありますけどね・・・」

一般の人・・・って、誰。誰のことを言っているの?そもそも、「度が過ぎないように」とか「節度を」というそのような流れで作っているのは、あなた方の番組でしょ(コメンテーターはさておき)。それを、「一般の人たち」っていう風に、あたかも私たちが一般の人たちの代弁者ですというような口ぶりで、それも、「出してくるんでありますけどね」という言い方って、何なの?自分たちは、どういう視点や立ち位置で言っているの。そして、そもそも、あなた、佐々木正洋の意見はどうなの?一般の人たちが持ち出してくるというのが、自分の意見なの?

という感想となる、まあ、とんでもない結び方であった。
佐々木正洋は、同局のワイド!スクランブルの夕刊キャッチアップでも、自分の意見がなくスカスカのコメントしかできない三流アナウンサーであったが、今回のコーナーの結び方など、まさにその中身のなさの典型であろう。

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コスプレイヤーが歩いている(別に危険な格好というわけではない)のを第三者が写真に撮るのを、その撮られる方が警察に指導されると言うことになると、それは、記念写真とか全ての写真を撮る行為が、警察から指導を受ける範囲になるということである。本人が拒否をするのを撮るということならさておき、本人が撮るのをかまわないと言っていて、それを撮るという行為のどこが悪い。それを取り締まるような権利は警察にはない。どういう解釈をつけようが、それは、警察の違法行為である。戦前の特高警察のレベルに落ちたということ。最低の犬畜生の存在である。

■関連リンク
テレ朝、秋葉原街頭インタビュー → 大声で奇声をあげられ動揺(アキバBlog)