未明に地震・茨城栃木で震度5弱・TBS「朝ズバッ!」みのもんたの教養

今朝、関東地方に強い地震があった。
地震の規模がマグニチュード6.7、茨城で震度5弱と最近にしては大きく、それを速報として取り上げていた早朝のニュースの一つに、TBSで朝5時半から始まるみのもんた司会の「朝ズバッ!」があった。この番組だけを特に取り上げるのには理由があるが、それはさておき、今回の地震の概略を。

今回の地震は関東で初めての緊急地震速報が出された地震であり、その速報が、初期微動が計測されてから58秒と遅く、かつ、結果的には水戸市でその速報が出されたのは地震の揺れ(本震)が始まって40秒と今回の地震に関しては何の意味もなさなかったということで、注目されるものである。そもそも、初期微動を関知したものを全て警報を出していくわけにはいかず、そこから、地震の到達地点での震度を予測し、それがある一定以上の震度となることを予測して、それから速報を出さねばならず、そこにタイムラグが生じるのは仕方ないことなのであるが、それにしても、地震の本震が始まって40秒では意味がない。車がぶつかって倒れている被害者に「危ない。避けろ」と叫ぶようなものである。車が走ってくる状況からぶつかることを予測し、せめて避けられる範囲で声をかけられるだけのものに速報自体の分析システムと通報体制を変えていく必要がある。それは、今後の課題であろう。もっとも、これには、地震の規模が十分に大きく、かつ、震源地が地震の被害を予想される地域から遠いという条件が必要となる。地震の規模が小さくても震源が浅ければ被害は大きくなるが、速報は間に合わないであろう。

さて、ここでしかし問題となるのは、今回の地震情報(初の関東での緊急地震速報発令であるが間に合わず今後に課題が残った)の取り上げ方である。

司会の、みのもんたが、緊急地震速報を発している公的機関の人(気象庁の人であったか)と電話で話をしているのであるが、そのみのもんた、全く地震に関する教養がないのである。
ここで教養というのは、別に地震学とかそういうものではない。単なる、小学校中学校で学ぶ義務教育レベルの教養ということである。質問の仕方を聞いているとわかるが、彼は、マグニチュードと震度の区別もついていず、日本の主な地震がどの辺りで起こっているかも知らず、であるからしておそらく、プレートテクトニクスとかの知識もない。地震波にP波とS波があることも知らず、だから、一体、緊急地震速報がどのように出されているかということも知らない。想像すらできない。
電話でみのもんたが質問をしていた時、何度も相手方が聞き直していた。質問が的はずれでとんちんかんだったからである。例えば、「地震の揺れを計測してから58秒というのは、早かったですよね」とか聞いていた。聞かれた方は皮肉と思ったかもしれないが、みのもんたはマジなのである。また、「速報はコンピューターで出しているんですか?」と不思議そうに聞いていた。まさか、このような速報性が必要なことをいちいち人間が出していると思っていたのであろうか。まあ、思っていたのであろうが。
「そりゃ地震が来る前に地震がわかればねぇ・・・」と仕方なさそうに語っていたみのもんた。彼は、地震予知地震速報の区別がついていないのである。

半分冗談であるが、私は、マスメディアにおいてニュースに関して語るアナウンサー、司会、ジャーナリストは、義務教育レベルでの教養検定を受けて、それを合格した者のみ、情報を発信できるということにしてはどうかと思う。特に、社会、理科などの教養は、数学のようにその時点での教養と言うよりもむしろのちの自然科学分野での基礎となる科目に比べて、これだけは必要最低限な教養ということでは、特に報道に携わる者にとっては必須な知識であろう。
もちろん、報道がそのような検定を外部的にも内部的にも必要とするということになったら、それは情報統制であり、それこそが問題である。だから冗談なのだが、しかし、あまりにも教養が欠落した者が司会などの重要な位置でニュースを語るということになると、情報自体を検証していくことができなくなり、的はずれな情報を流すということにもなりうる。
大事なことは、「教養がないものは、情報を広く語る位置にいてはいけない」という認識をマスメディア自体が自覚として持つことである。