容疑者は容疑者

みのもんたが、朝のニュース番組で、証人喚問(姉歯建築士設計書偽装事件関連)で日当が出ることに関して噛みついていた。日当約2万円だそうである。
なぜ、こんな奴らに日当を払う必要があるのかと。

なぜこんな基本的なことも、わからない人がニュースを語っているのだろう。
まだ、彼らは容疑者でもなんでもない。
憲法に明記された議院審査権は、議院が取り調べをできる権利ではない。
国政の遂行にあたって、現状を把握し、特に立法面での可及的速やかな対応をするための情報取得が、その主旨であろう。
故に、どのような疑いがある証人であろうが、その証人に議院に来ていただく場合、その日当及び交通費が払われるのは、至極当たり前のことである。

昔(今もかもしれないが)、某県警作製のポスターに、指名手配容疑者の顔写真を悪魔の姿にしているものがあった。指名手配を受けているのは地下鉄サリン事件の容疑者たち。皆、悪魔のシッポがつけられていた。
刺激的なデザインにすることにより、皆に見てもらい、容疑者を早くつかまえたいという気持ちはわかる。しかし、まだあくまでも容疑者であり刑の確定していない者の人間としての尊厳を傷つけることは警察の行うことではない。もちろん、刑が確定した後でも同様である。

イタリアの児童文学「クオレ」に、警邏に引き立てられている者を指さした子供を母親がたしなめる話があった。
そういうことは、してはいけない。もしかしたら彼は何もしていないのかもしれないのだからと母親は語っていた。