初音ミクは、今年のトレンド商品に入るのだろうか?

先日のWBSで、恒例の今年一年のトレンド商品特集をやっていた。メガ・・・やら、任天堂Wiiやら。初音ミクは、挙がっていなかったが、実際に発表される日経・・・では、ベストの中に入るのかな?ネットとのアクセスを生活の大きな部分に占めている自分やら、同じように大きな比重を占めている方々からの視点で見ると、初音ミクの登場がニュースに入らなかったら、やはり、ちょっと疑問に感じるかな。私は、ネットというのは、人類の得た新たな感覚器のようなものだと思っているので、感覚器の数の違いで、認識の差は生まれるかもしれないけど。うん、選民意識だなぁ。

初音ミクの登場って、私は、エジソンの蓄音機の発明以来の事件だと思いますね。蓄音機以降に、レコードなどの音楽頒布再生物が生まれた初期の時、多くの人の意識の中に、「これは、音楽だろうか。そうではないのだろうか」という疑問があったと思うのですよ。だって、音楽というのは、生でしか聞けないものであったのですから。だから、それが録音されたものなんて、しょせん、音楽のまがい物感覚はあったと思うのですよね。その延長上に、今の社会がある。
初音ミクの登場により、「これって、歌なのか、それとも、楽器(音源)なのか?」という、境界線をゆらがせる論争が再び起きつつあります。しかし、今後、その境界線は非常に曖昧なものになっていくのでしょう。さらには、我々は、物故したミュージシャンの新曲を、音源の形で聴くことができるようになるのかもしれません。いや、そうなるでしょう。亡くなったあとに生まれた曲を、亡くなったミュージシャンが歌うという。そのような時代の最初の形が、この初音ミクになるかもしれません。もちろん、初音ミクの前にも、Vocaloidというソフトはあったわけですが、やはり、この初音ミクの登場による衝撃は、一つの時代の変わり告げる大事件だったと思います。トレンド商品ベストという、そんな小さな枠を大きくはみ出す事件なのかもしれませんが。