「劔岳 点の記」のこと・年寄りは騙されやすい

パルス編集部のブログに「劔岳 点の記」の感想を書いている。
行ったのは、初日。
今回初監督の木村大作が撮影監督をした映画に好きなものがたくさんあって・・・というか、自分の邦画ベスト10の中の半分ぐらいがというぐらい木村大作が撮影した映画が好きだった身としては、その監督の初監督の作品というのがどういうものかを大画面でぜひ見てみたかったわけである。

感想は、こちらに。

ということで、映像の美しさと香川照之はじめ役者の演技以外はもうどうしようもないものであった。
もちろん、映画の場合、パーフェクトに全部が完璧である必要はない。
マイナス面を凌駕するぐらいプラス面が素晴らしいこともあるし、また、どんなに問題点の多い映画でも個人的に思い入れがあるシーンや要素があれば、それは特別な映画となる。

しかし、この映画は、あまりにマイナス面が多い映画であった。
映画としてずたぼろぐたぐたなのである。

しかししかし、Yahoo映画などの観た人の感想を読むと、これが結構、評価高い。
そこで、私は、思った。

「ああ・・・・年寄りというのは、ほんと、自分の目でものを見ずに、まわりの評価などに影響されるんだなぁ」ということである。
もしくは、年寄りには料理の味もわからないのか。味音痴ゆえに、名店と世評が高ければ、すげえまずい料理も格調高く感じるのであろう。

もちろん、高い評価をしている人が年寄りばかりではあるまい。
また、自分が言っている年寄りというのは、年齢だけのことではない。精神年齢も含めてである。

しかし、この映画を、もし20代30代を中心として評価したら、平均点2点を切るのではないだろうか。それは、高い評価を同サイトでつけている人が語っている人生の経験を積んでいないからこの映画がわからないのではなく、世評や裏事情などもろもろに左右されずに、自分の目で評価できるからである。

多くの人(年寄り?)が語っている、日本映画の至宝などではなく、日本映画の汚点であろう。

木村監督は、次作も撮りたいと語っている。
映画に関してのマイナスの批評は、おそらくこの監督の耳には届かないだろう。

先日、テレビで撮影監督としての体験を語っていたが、いかにも人の言うことを聞かないタイプで、醜い年を取り方した人の見本のような人であった。この番組を先に見ていたら、見に行くのをためらっていただろう。