学級崩壊・抱え込む先生・子供は社会全体で育てるもの

あるご家庭から、学校が荒れている状態でいじめやら校内暴力やら起きているのに、なぜ、そのことが保護者の方に情報として出てこないのかという話というかご相談のようなものがあった。
学校の隠蔽体質とかではないかと。
それに対して、答えた。

それは、子育てに困った時の母親のような状態にあると。

誰にも相談できない。相談すると言うことは母親としてつとめをきちんと果たしていないように思ってしまう。相談する相手がいなくて袋小路に陥ってしまう。全てを全部自分で抱えてしまうことになり、追いつめられる。そして、果ては無理心中とか・・・というのと、同じような状態であると。

社会は、相変わらず何かというと先生の指導力不足とか質の低下とか学校の問題にする。
しかし、今の状況は、先生の能力で何とかできる状態ではない。
また、先生の質がよかろうが悪かろうが、ベテランだろうが新人だろうが関係ない。事態は、そんなに生やさしいものではない。
そもそも、先生の質は昔に比べて低下しているわけではない。

意欲的な先生は昔も今もたくさんいる。
教える技術の質は、昔も今もそんなに高くない(笑)。
言ってしまえば、昔は技術が低くて指導力が高くなくてもそれなりに先生をやっていられたが、今は技術が高くて指導力が高くても、学級崩壊など簡単に起きてしまうのだ。

だから、大事なことは、先生に全てを抱え込ませないことである。

しつけと教育をしっかり切り離し、集団における秩序維持はさておきそれ以外のしつけ部分は、極力、保護者が面倒を見る状態にして、できるだけ、教師の負担を軽くする必要がある。

とにかく、保護者の方々は団結して先生を守ること。そして、しつけ面での問題はそのボールをどんどん保護者に投げてもらい、保護者の中で解決するような体制を作ること。
そういうことを、話した。

先生が全部抱え込んでしまうという話は、目から鱗だったようで、参考になったようだった。
まあ、実際、保護者が団結してしつけをするのは、なかなか大変だろうが。

ちなみに、話している時、相手の子供の態度が悪かったので叱ったら、なぜ自分の子供を叱るのかと逆に問いつめられたそうだ。私は、それに、こう答えた。

「他人の子供であろうが、態度が悪くて言ってもきかなかったら、自分の子供と同様、ひっぱたいてください」と。

子供は、社会全体で育てるものである。